保護者の方が自分の子どもに勉強を教えるとき、勉強がなかなか進まなかったり子どもに反発されたりして、怒ってしまうことがありますよね。
なぜ子どもに勉強を教えるときに怒ってしまうのか、それには理由があります。
そこで今回は、つい怒ってしまう原因と、怒らずに勉強を教えるコツについて解説します。
子どもにイライラせずに勉強を教えてあげたいという方は、ぜひ参考にしてください。
小学生に勉強を教えると親が怒ってしまう理由
小学生の子どもに勉強を教えるとき、ついイライラして怒ってしまうという保護者の方は少なくありません。
それでは、なぜ子どもにイライラしたり怒ったりしてしまうのでしょうか。
主に下記4つの理由が挙げられます。
- 親の期待が大きい
- 子どもが説明を理解できない
- 子どもの気持ちに共感できない
- 子どもが勉強に集中していない
それぞれについて見ていきましょう。
親の期待が大きい
怒ってしまう大きな原因は、子どもに対して「勉強が分かるようになってほしい」という親の大きな期待や強い思いがあるためです。
人間は期待を裏切られたときに、怒りを感じます。
つまり、保護者が期待するレベルにまで、子どもの勉強の成果が伴っていないから怒りを感じてしまうのです。
子どもが説明を理解できない
勉強を教えているとき、教えている側は子どもに分かりやすく教えていると思っていますよね。
しかし、子どもが「何回教えても理解できない」「同じ間違いを何度も繰り返す」ことで、イライラしてしまう親は多くいます。
なぜなら、実際に子どもが理解している内容よりも、高いレベルのことを求めてしまっていることがあるからです。
例えば、小学校で学習した内容でも、子どもによって理解度は異なります。
しかし、親は「学校で習ってきたから分かっているはず」と、理解していることを前提に教えようとします。
すると、理解できない子どもの様子を見て、「なぜできないのか」とイライラしてしまうのです。
子どもの気持ちに共感できない
勉強を始める前やしている途中でも、子ども自身が急に不機嫌になったり、「分からない!」と怒ったりすることがありますよね。
子どもが怒るのには、必ず何か理由があります。
しかし、教えている側はなぜ急に不機嫌になったのか理解できません。
親はこれまでの経験から、勉強したことが今後の人生で重要になることを知っています。
それに対して、子どもは今まで勉強が大切だということを感じる機会はほとんどなかったでしょう。
そのため、勉強ができなくても問題ないと考えてしまいます。
親は子どものためと思うがゆえに、「わざわざ時間をつくって教えているのに、なんで怒るんだ」とイライラしてしまうのです。
子どもが勉強に集中していない
子どもが勉強している途中でボーっとしたり、気が散ってしまったりして、勉強に集中できていないことがあります。
他に気になることがあってそちらに気をとられていたり、疲れて眠くなってしまったりと原因は様々です。
もしかしたら「勉強が嫌いだからやりたくない」と、勉強と向き合うことを避けているのかもしれません。
しかし勉強を教えているにもかかわらず、子どもが勉強に集中していないと、教える側はイライラしてしまい、落ち着いて勉強を教えられなくなります。
子どもにイライラしないコツ
勉強を教えるとき、親がイライラしてしまうのは、子どもの姿が親の期待から外れてしまっているという思いが、無意識にあることが分かりました。
しかしそれだけでなく、子ども自身もイライラしたり集中していなかったりして、親が「子どもの気持ちが分からない」という理由もあります。
それでは、どうすれば子どもの気持ちが理解できるようになるのでしょうか。
子どもの立場や感情を想像する
まず、子どもが今どんな状況にいるのかを考えてみましょう。
勉強を教えるのは、子どもが学校から帰ってきた後、家ですることがほとんどです。
朝早く起きて学校へ行き、1日中授業を受けた後、長い距離を歩いて下校し、やっと家に帰ってきて一息つける、という子がほとんどなのではないでしょうか。
子どもも疲れているでしょうし、もしかしたら学校で嫌なことがあって落ち込んでいることもあるかもしれません。
そんなときに「勉強しなさい」と言われたり、親に怒られたりしたら、子どもは嫌な気持ちになりイライラもするでしょう。
親が仕事から帰ってきたら、家でのんびり過ごしたいように、子どもも1日学校で頑張ってきたら、家ではゆっくり過ごしたくなるものです。
子どもも自分とは違う、別の1人の人間であるということを忘れてはいけません。
子ども相手でも、相手の立場や気持ちになって考えることはとても大切なことです。
自分の子ども時代を思い出す
自分自身が小学生だったときのことを思い出してみてください。
自分はどれだけ勉強していたのか、親に何を言われたら嫌だったのか、考えてみましょう。
「遊んでばかりで勉強なんてしていなかったな」「自分も当時の親と同じことを言っている」と気付く方もいるのではないでしょうか。
意外に「自分が子どものときに比べたらいい子にしている」と思えるかもしれません。
子どものペースにじっくりと付き合う
子どもに教えるときに、「これぐらいは分かるだろう」と理解していることを期待して教え始めると、実際子どもが分からなかったときにイライラしてしまいます。
そのため、まず「分からなくて当たり前」と考えて、根気強く付き合うようにしましょう。
また、大人と子どもでは、頭の回転の速さや経験値が全く違います。
大人にとっては当たり前に分かる問題でも、小学生にとっては初めて習う大変難しい問題です。
理解や回答を急かさず、子どものペースに合わせることが大切です。
一から全部教えるつもりで、じっくりと付き合いましょう。
イライラしそうになったらその場を離れる
子どもの状況が理解できていても、勉強がなかなか進まなかったりダラダラされたりすると、イライラしてつい何か言いたくなってしまいますよね。
イライラしたり余計な一言を言いそうになってしまったりしたら、一度その場を離れてみるのも良い方法です。
具体的には、部屋から出てトイレへ行ったりお茶やコーヒーを飲んだりして、一度冷静になる時間をもちましょう。
数分間離れるだけで大丈夫です。
怒りの感情と上手く付き合う方法として、「アンガーマネジメント」があります。
アンガーマネジメントでは、人間の怒りのピークは6秒といわれています。
そのため、
- 怒りを感じたら、6秒数えて心を落ち着かせる
- 怒りのレベルを点数化してみる
などの方法を使ってみるといいでしょう。
少し時間が経てば、怒りの感情も落ち着いてきます。
怒らずに子どもに勉強を教える方法
怒りの感情をコントロールできるようになってきたら、上手く子どもに勉強を教えることもできます。
下記のポイントを意識して教えてみてください。
- 解けそうな問題から始める
- 時間や範囲を最初に決めておく
- 勉強に集中できる環境づくりをする
子どもが何につまずいているのか、何が苦手なのか、勉強ができない理由を考えながら、それぞれに合う勉強方法を考えてみましょう。
解けそうな問題から始める
勉強を始めるときに、まず子どもが解けそうな簡単な問題から始めるのがおすすめです。
いきなり難しい問題から始めると、そこでつまずき、イライラしてしまいます。
そうすると、勉強を続けるのが嫌になってしまいますよね。
最初にウォーミングアップとして、簡単な問題をスラスラ解くことで集中力を上げられ、子どもが「自分にもできそう!」とやる気をもつことにもつながります。
また、最後に難しい問題や苦手な問題をもってくることで、「これを解いたら終われる!」とゴールへの見通しをもてるので、最後までやり抜くことができるでしょう。
時間や範囲を最初に決めておく
勉強を始める前に、その日に勉強する範囲や時間を決めておきましょう。
どこまで勉強するのか、何時までするのか、ゴールが分かっていれば見通しをもち、勉強に集中できます。
最初に無理のない範囲を決めておくことで、教える側も「もっと勉強させないといけない」「早く進めないといけない」と焦らなくて済みます。
また、子どもが集中して勉強できる時間は限られています。
小学生なら30分〜1時間程度でしょう。
問題を解いているときに分からなくなったら、時間をかけすぎず、悩む時間を決めておくというのもおすすめです。
「1分考えても分からなかったらとばす」「3分悩んでもできなかったら解説を見る」など、前もって決めておきます。
分からない問題をずっと考えていても、イライラしてきますし、集中力も切れてしまいますよね。
解説を見たり聞いたりして、理解することの方が大切です。少ない時間を有効に使いましょう。
勉強に集中できる環境づくりをする
勉強する場所の環境を整え、勉強に集中できるようにしましょう。
寒くても暑くても集中できませんし、暗くても明るすぎてもいけません。
適度な室温や明るさの環境をつくってあげることが大切です。
周りが騒がしかったり、無駄なものが置いてあったりしても気が散ってしまいますよね。
整理整頓することも必要でしょう。
しかし、子どもによっては、あまりに静かすぎても逆に気になってしまうという子もいます。
子どもの様子をみながら、調整してあげるといいですね。
また、空腹時や疲れている状態でも、勉強に集中することは難しいでしょう。
体調に気をつけてあげることも大切です。
まとめ:小学生の勉強には根気強く付き合うことが大切
子どもに勉強を教えるときに怒ってしまう原因は、親の過度な期待と子どもの気持ちが理解できないことがほとんどです。
勉強ができないからとお互いにイライラしてしまっては、良いことはありませんし、子どもの勉強嫌いにもつながってしまいます。
子どもは「分からないから勉強しているのだ」ということを忘れず、子どものペースに合わせてじっくり付き合ってあげてくださいね。
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