近年リビング学習が流行しているのをご存じでしょうか?
子どもが自室ではなく両親の目が届く範囲のリビングやダイニングなどを学習場所とする勉強スタイルをいいます。
しかし、ただリビングで勉強すればいいということではなく、しっかりリビング学習を理解しないと良い効果は生まれません。
小学生の子をもつ親は、リビングで勉強させるべきか、自分の部屋で勉強させるべきか悩まれる方もいるでしょう。
そこで今回は、小学生のリビング学習について詳しく解説していきます。
小学生のリビング学習のメリットを理解して、参考にしてください。
リビング学習の効果やメリット
本当にリビング学習で学力が上がるのか、勉強が好きになるのかと疑問に思う方もおられるでしょう。
ここでは、5つのリビング学習の効果やメリットについて深く見ていきます。
- コミュニケーションがとりやすい
- 集中力が高まりやすい
- 勉強の習慣形成に役立つ
- 子どもの得意・不得意をチェックできる
- さぼりにくくなる
効果やメリットを理解してリビング学習に取り組みましょう。
コミュニケーションがとりやすい
メリットの1つにコミュニケーションが取りやすいという点が挙げられます。
子どもが1人で部屋にこもって勉強する際、不安を抱えて勉強している場合があります。
家族のいるリビングやダイニングだと安心感があり、リラックスして学習に取り組むことができるのです。
また「この言葉はどういう意味?」と子どもの質問に親が答えたり、学校での話をする機会が増えたりと、親子の会話が自然と生まれます。
親の体験談や見聞きしたことなどを話すことで子どもの多角的な視点が培われるだけでなく、コミュニケーション能力も養われます。
子どもにしても、分からない問題があればすぐに質問ができる状態であるため勉強で困ることが少なくなります。
できたものをすぐに親にみせて褒めてもらえると、子どもは喜び、さらにやる気がでてくるでしょう。
兄弟がいる場合は、上の子が下の子に教えてあげたり、上の子の学習内容を下の子が耳にする機会が増えたりと刺激になるのもメリットです。
集中力が高まりやすい
リビングは家族共有のスペースなので、お母さんがお料理をしていたりお父さんがリビングでくつろいでいたりする空間です。
適度な雑音や、他の人が違うことをしている環境で勉強することは、日常的な生活音のある場でも緊張感を持つことに繋がります。
学校のテストや受験のとき、周囲は当然無音ではなく鉛筆の音などが飛び交っています。
普段からそのような環境に身を置くことで、集中した環境で勉強を進められるようになるのです。
勉強の習慣形成に役立つ
勉強机に向かって勉強するということは、子どもにとってハードルが高いものです。
勉強をスタートするまでの流れは、子ども部屋に移動し、勉強道具をそろえてから始めるのが一般的です。
一方リビングであれば、学校から帰宅した流れでそのまま勉強に取り組めます。
どんな少ない時間であっても、帰ってきてから勉強をする時間を作っていけば、勉強の習慣形成ができ今後にとても役に立ちます。
そのため、そのハードルを下げることによって毎日勉強する習慣が身に付いていくのです。
子どもの得意・不得意をチェックできる
学習の様子を見守ることで、子どもの得意・不得意を確認できます。
自室で1人で勉強する場合において何が分からないのか、何が得意なのかなど過程を見ることが難しいです。
中々進まないといった様子が分かると、子どもと一緒に考えることができ、スムーズに問題を解けるようになります。
テストや成績表の結果だけで子どもの理解度を知るのではなく、日々の勉強の中で小さなつまづきに親が気づくことが重要です。
自室にこもって勉強しているのでは、親も様子が分からないため、結果だけを見て子どもと接してしまうことに繋がるかもしれません。
一緒に取り組むことで子どもの理解度も深まるので、リビングは最適な場所と言えます。
さぼりにくくなる
自室での勉強は誰も見ていないので緊張感がなく、子どもがサボってしまう可能性があります。
勉強していても、ふとやる気が損なわれ、違うものに気をとられてしまう場合もあるでしょう。
ノートに落書きしてみたり、ゲームや漫画に手をつけていたりすると、中々勉強には戻れなくなります。
リビング学習ではいつでも誰かの視線を感じ、適度な緊張感を感じながら学習を行えます。
そのためサボり防止につながり、学習効率の向上に期待できるのです。
リビング学習レイアウトポイント
リビング学習を進めるうえで大切なのは、リビングは生活の場であり、学習の場であるということです。
家族みんなが生活スペースでもあるため、あまりにも学習の場にしてしまうと困ることも生じるでしょう。
机の大きさはもちろん、収納スペースや手元を照らす照明やコンセントの配置までも気にかけると更に良いでしょう。
生活導線を考えて机を設置する
まず気を付けておきたいのが机を設置する場所です。
ソファやダイニングテーブルなど、家族がよく通る導線と反対の位置に学習机を置くと、日々の導線を邪魔せず勉強中の子どもも集中しやすくなります。
リビングの出入り口がいつも見える位置に机を設置してあげるのもいいでしょう。
勉強の最中に誰かが帰ってきてリビングの扉を開けるたびに振り向くことになり、集中力が続かなくなります。
集中力を続かせるためにも部屋の出入口が見える場所へ机を設置することをお勧めします。
大人が見守れる空間にする
お母さんがキッチンやダイニングで家事をしながらでも視線が届く場所に学習机を置くことが重要です。
親子の距離が近くなるため、子どもがどんな勉強をしているのかや、子どもの様子も把握できるというメリットがあります。
子どもが宿題に飽きていたり、勉強に集中していなかったりしたときにすぐに声をかけることも可能です。
低学年の子どもの場合、1人で勉強するとなると不安が募って勉強に集中できなくなることもあります。
そのため親から見える位置に机を設置しておけば、子ども自身も見守られている安心感を得られ勉強に集中しやすくなるのです。
机の向きやサイズを確認しておく
リビング学習の机の配置で最も多いのが、リビングの窓や壁に向けて勉強机を置くパターンです。
リビングのインテリアと違和感なく机が置けるように、幅が薄く低めのものを選ぶといいでしょう。
壁にぴたっと付くタイプであまり存在感のない机が理想的です。
一般的な勉強机の奥行きは約60㎝ですが、椅子のスペースが加わることを考えると前述した生活導線をふさいでしまう場合があります。
一回り小さいもので机を考えておくと導線をしっかり確保できるでしょう。
またキッチンカウンターに向かって机を置くケースもあり、お母さんがお料理する気配を感じながら子どもが安心して勉強できるでしょう。
リビング学習のデメリット
リビング学習は、子どもの学習への姿勢に良い影響力があると言われる学習法ですが、やり方によってはデメリットもあります。
どういったデメリットがあるか見ていきましょう。
- 集中しにくい場合がある
- 勉強道具が近くにない
- 他の家族が気兼ねする
デメリットも理解したうえで、リビング学習を取り入れるか判断材料にするといいでしょう。
集中しにくい場合もある
親にみられながら勉強することで、反対に集中できないという子もいるでしょう。
横で、「字が汚い」「間違っている!」「どうして何度も間違えるの」などと毎度毎度言われていれば子どものやる気はもちろん低下します。
そのため、リビング学習ではあまり親が干渉しないことをおすすめします。
大切なのは監視するのではなく、サポートする姿勢です。
子どもが不安になったときに姿が見える、子どもが質問したいときに声の届く場所にいる、といった距離感が大切です。
家族のコミュニーケーションは増えると同時に、無駄話で勉強の邪魔になったり集中力を低下させるなどマイナスの効果もあります。
ダラダラとしゃべったりしないように時間内にやるべきことを事前に決めたりするといいでしょう。
勉強道具が近くにない
リビング学習を行う際、ノートや参考書などを自室や本棚からもってこないといけません。
色鉛筆だったり文房具だったり持ち出しリビングで行わないといけないため、必要なものは毎回もってこなくてはいけません。
調べたい言葉があっても、辞書を取りに行くという手間が出てくることもあります。
さらに、準備万端の状態で取り組んだ場合、今度はリビングが物で溢れかえってしまうかもしれません。
ダイニングテーブルを学習机にしている場合物を仕舞うスペースがなく整理整頓ができないというデメリットも発生するでしょう。
他の家族が気兼ねする
子どもがリビングで勉強しているときには、家族はテレビをつけないように気をつけている家庭が多いのではないでしょうか。
さらに、勉強している子を気にかけテレビやパソコンはイヤホンやヘッドホンを使うという方もいるでしょう。
テレビをつけず静かに過ごすことは、他の家族にとっては不自由が生じるかもしれません。
リビング学習はいつまで続ける?
リビング学習を続ける期間に「何年生〜何年生まで」という決まりはありません。
子どもの意欲や希望に合わせてリビング学習に取り組み、学習内容などに応じて子ども部屋も活用するなど、リビングと子ども部屋の使い分けがおすすめです。
中学校に入学すると学習スタイルも生活スタイルも変わってきます。
受験勉強をする段階まで来ると、いつまでもリビング学習が良いとは限りません。
子どもの成長と個性に合わせて、必要がなくなったら自室での学習へと切り替えることも大切です。
まとめ:リビング学習も1つの方法!子どもにあった勉強法をみつけよう
リビング学習には多々メリットがあり、親もサポートできる勉強法です。
より効果を発揮するために、レイアウトや机のサイズ、収納等も考えて行っていくといいでしょう。
しかし、どの場所で勉強がはかどるかは子どもの個人差がありそれぞれ違います。
大切なことは、子どもを尊重した勉強場所を選びをしていくことです。
子どもにあった勉強法を見つけ、勉強に取り組みやすい環境作りを心がけてみてください。
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