中学受験において算数は非常に重要な科目です。
しかし、苦手という受験生も多いでしょう。
算数は受験の合否を分けるともいわれており、苦手を克服しておきたいことろです。
中学受験を控えている方に向け、中学受験の算数について重要な4つの単元とおすすめの問題集をご紹介します。
この記事で得た情報を是非、合格にお役立てください。
小学校の算数と中学受験の算数は違う
小学校で習う算数と中学受験の算数は違います。
中学受験の算数では、学校のテストでも見たことがない難易度の高い問題が出る傾向があります。
小学校の算数では、基本的な知識を身に着けることを目的にしています。
きちんと公式を覚え、当てはめることができれば解ける問題がほとんどです。
一方中学受験の算数では、学校で学ぶ基礎知識を応用し、時間内に最適な解を導き出すことを目的にしています。
試験では、論理的に考え答えにたどり着けるか、答えまでの過程を言語化できるかどうかみられます。
受験勉強に取り組む前に何が求められるのか正しく理解しておきましょう。
中学受験において算数が合否を分ける
中学受験において算数は、配点が高く得点差がつきやすいため合否を分ける科目と言われています。
多くの学校では、答えだけなく途中式や考え方も記載するよう求めます。
単に答えが分かっただけでは高得点は狙えません。
学校側は、受験生の理解度や論理的思考能力を答えを導くための過程から読み取ろうとします。
つまり、正しく理解できていてもそれを言語化できなければ得点にはつながらないのです。
さらに、算数の出題形式にも得点差がつきやすい要因があります。
算数は他の科目より比較的問題数が少なく、1問あたりの配点が大きくなりがちです。
また各大問がつながりをもち、どこかでつまずくと後の問題にも影響を及ぼす可能性があります。
これらのことから算数は、受験生の能力を測る重要な科目であることがわかります。
そのため、他の科目よりも配点が高くなり、得点差もつきやすくなるのです。
算数が苦手という受験生も多いですが、合否を分ける科目であることを知っておけば、克服・対策もしっかりとできるでしょう。
中学受験の算数において重要な単元
中学受験の算数において重要な4つの単元をご紹介します。
- 割合と比
- 図形
- 速さ
- 特殊算(つるかめ算・濃度算・旅人算)
各単元を学ぶ上でのポイントも一緒に解説していきます。
割合と比
割合と比の問題は入試の頻出単元です。
割合のみの問題以外にも、図形や速さなどとあわせた応用問題が出題されることもあります。
割合の問題を理解するためには“分数”の考え方をしっかりと理解しておきましょう。
問題を解く際には分数や小数の計算も多いため、計算ミスには注意してください。
比の問題も割合と関連しています。
年齢算や特殊算(つるかめ算・濃度算・旅人算)などの問題に使われることもしばしばあるため、苦手は克服しておいてください。
ポイント
割合の問題は、何と何を比べているのかを正しく見極めることが重要です。
基準量(もとにする量)と比較量(比べる量)を明確にしてから解き始めましょう。
また割合の問題では売買損益や食塩水濃度についての問題もよく出るため、用語の意味も理解しておく必要があります。
比の問題が苦手な子は、分数や小数の計算でつまずくパターンと文章問題になった途端分からなくなるパターンの2つが考えられます。
計算が苦手な場合は、繰り返し問題を解くことで基礎を固めるのがおすすめです。
文章問題になると分からなくなる場合は、自分で文章から数式を立てる力を鍛える必要があります。
問題を読んだらすぐに線分や面積図を書くよう意識することで、数式が立てやすくなるでしょう。
他の単元とあわせて出題されることも多い割合と比は、必ず解けるようになってください。
図形
図形の単元では、平面図形と立体(空間)図形をおさえておきましょう。
【平面図形(多角形)の学習項目】
- 角度
- 面積
- 面積比
- 相似
- 図形の移動
- 線対称や点対称
- 円
- 扇形
★補助線を適切に引けるように
【立体(空間)図形の学習項目】
- 直方体
- 立方体
- 柱体
- 錐体
- 回転体
- 展開図
ポイント
図形や立体を多角的にイメージできるよう、感覚的に図形を捉える力を養いましょう。
この力を養うためには普段から立体物や折り紙などに触れる機会を増やしたり、何度も図形を書き写し、体で図形の特徴を覚えるのがおすすめです。
慣れるまでは大変かもしれませんが、図示することに慣れ、立体の仕組みを理解できれば、頭の中で図形を多角的にイメージすることも容易になります。
普段から空間認識能力を鍛えておきましょう。
速さ
速さも入試の頻出単元です。
算数だけでなく、数学や理科系科目などでも必要となるため、基礎からしっかりと学んでおきましょう。
小学校の算数では、速さの問題は公式に当てはめるだけで解ける問題も多いです。
しかし入試では、“速さとは何を意味しているのか”、本質を問う問題も出題されます。
公式だけでなく速さの意味も理解しておきましょう。
ポイント
速さの問題では単位がバラバラのまま(時速と分速、㎞とm)出題されるケースがあります。
単位を変換し、正しく計算できるよう、繰り返し問題を解いて慣れておきましょう。
速さの問題では答えが間違っていても、どのようにして答えを導き出したのか書けていれば、部分点を稼げる場合があります。
普段から途中式など答えまでの過程を書き込むよう訓練しておきましょう。
特殊算(つるかめ算・濃度算・旅人算)
中学受験の算数では特殊算の問題がよく出ます。
問題文を読んだだけでは何算か分からないものもあり、どのタイプの特殊算なのか素早く、正しく見極める力が必要です。
特殊算の中でも特に多く出題されるのが、以下の3つです。
- つるかめ算
- 濃度算
- 旅人算
各特殊算の特徴とポイントをご紹介します。
つるかめ算
つるかめ算とは、「ツルとカメが合計〇〇います。足の合計は△本です。ツルは何羽、カメは何匹いるでしょう?」という問題が基本の特殊算です。
しかし入試では、ツルとカメ以外を用いて出題されることもあります。
例えば、硬貨の種類と金額の問題やコインの裏表で点数を競うコイントス問題、速さを使った問題などさまざまです。
問題を読んだだけでつるかめ算だと判断できるよう、様々なパターンの問題を解いて訓練しておきましょう。
濃度算
濃度算では食塩水に関する問題が出ます。
食塩水の濃度や重さなどそれぞれの数字の関係性を正しく理解しておきましょう。
濃度算の問題パターンは主に以下の4つです。
- 食塩水を蒸発させるパターン
- 濃度の異なる食塩水を混ぜるパターン
- 食塩水に水を加えるパターン
- 食塩水または水に食塩を加えるパターン
複雑な問題では操作が多く、混乱しやすくなるため、ひとつずつ操作を整理するのがポイントです。
濃度算はパターンが決まっているため、問題に慣れておけば点数に繋げられる単元です。
旅人算
旅人算は速さの問題の一種です。
登場人物が2人以上出てくるため、複雑になりやすく、パターンもいくつかあります。
代表的なパターンは以下の4つです。
- 先に出発した人を後から追いかけ、追いつくパターン
- 2つの地点から2人が逆向きに進み、途中で出会うパターン
- 池の周りを2人が逆方向に回り、途中で出会うパターン
- 2人が池の周りを同じ方向に回るが、途中で追い越してしまうパターン
旅人算を解く際には、出発時とゴール時の状況を把握し、1時間後や1分後はどうなっているのか考えておくのがポイントです。
各パターンの解き方をあらかじめ理解し、計算ミスをなくせば得点に繋げられます。
複雑で難しいと感じやすい単元ですが、問題文をしっかりと読み、落ち着いて取り組めば解ける問題です。
中学受験の算数を攻略するポイント
中学受験の算数を攻略するポイントを4つご紹介します。
- 苦手意識を持たせない
- 計算力をつけて基本的な問題の正答率を上げる
- 苦手な問題は解説をみながら理解できるまで繰り返し解く
- なぜ間違えたのか理解し何度も復習する
これらのポイントを意識して受験勉強に励んでください。
ポイント1.苦手意識を持たせない
算数は他の科目に比べて苦手意識を持ちやすい科目です。
特に、小学校の算数と中学受験の算数とでは難易度や特徴が異なります。
受験で問われる論理的思考や言語化の難しさからなかなか得点が伸びず、苦手意識を持ってしまう子も少なくありません。
なかなか点数が伸びず叱られた経験が増えると、恐怖心や苦手意識を抱いてしまう可能性があります。
周囲の大人はポジティブな声掛けを意識して、苦手意識を持たせないよう注意しましょう。
問題を解くことで得られる達成感や楽しいという感覚は自信につながります。
できる(解ける)を繰り返して自信をつけてあげましょう。
ポイント2:計算力をつけて基本的な問題の正答率を上げる
算数の問題を解く中で避けたいのが計算ミスとペース配分です。
必ず得点できる基礎問題は確実に正解しましょう。
計算力はたくさん問題を解けばすぐに身につくものではありません。
ただ単純に問題をこなすのではなく、計算スピードや効率的な考え方を意識して、質を高めることが重要です。
毎日一定数の問題を解く習慣をつけたり、時間を測ってどれくらいのスピードで解けるのか把握すると計算力がついてきます。
丁寧かつスピーディーに計算問題が解けるようになりましょう。
ポイント3:苦手な問題は解説をみながら理解できるまで繰り返し解く
算数のみに関わらず、勉強を進める中で必ず苦手な単元がでてきます。
苦手な問題は後回しにしたくなりますが、苦手な単元こそ繰り返し解くのが重要です。
簡単な基本問題から正解を積み重ね、徐々に難しい問題に取り組むことで苦手克服を目指しましょう。
何度も間違える問題は、解説を読みながら解くことで理解しやすくなり、効率的な解き方を知るきっかけにもなります。
繰り返し問題を解くことで、できなかったことができるようになる達成感を味わい、自信をつけてあげましょう。
ポイント4:なぜ間違えたのか理解し何度も復習する
勉強において復習は非常に重要であり、習慣づけることで学力は大幅に上がります。
人の記憶は、一度も復習をせずにいると24時間後には74%忘れ、24時間以内に復習すれば10分程度の学習で100%戻るという研究結果があります。
一般的に復習は3回以上繰り返すと記憶に定着しやすいといわれています。
したがって、復習のタイミングとして以下の3つが望ましいでしょう。
①学んだその日のうちに1回目の復習
②忘れていないか確認のため3日後に2回目の復習
③最後テスト前に3回目の復習
間違えた問題は、3回以上復習しましょう。
なぜ間違えたのか原因を理解しながら進めるのがポイントです。
理解できていないままだと同じミスを繰り返す可能性があります。
間違えた原因も含め、正しく理解した上で復習を繰り返し、記憶に定着させましょう。
おすすめの問題集
ここから、低学年向けと高学年向けにおすすめの問題集をそれぞれ2冊ずつご紹介します。
- 低学年:きらめき算数脳 小学1・2年生(主婦と生活社)
- 低学年:くもんの小学ドリルシリーズ(くもん出版)
- 高学年:中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数シリーズ(実務教育出版)
- 高学年:中学入試 算数のつまずきを基礎からしっかり“計算”(学研プラス)
今や問題集は数多く出版され、どれを選べばよいのか迷われるかもしれません。
購入前には実際に中身を確認し、お子様に合った問題集を購入してください。
低学年:きらめき算数脳 小学1・2年生
出版社:主婦と生活社
定価:税込み2178円(2023年11月時点)
イラスト豊富で、オールカラーのため低学年でも楽しく取り組みやすいのが特長です。
キャラクターと共に謎解きをし思考力や読解力、問題解決力を養います。
色を塗り進めながら解き進め、できた問題にはシールを貼ることで達成感も味わえます。
飽きのこない工夫と楽しくゲーム感覚で学べるところがおすすめです。
低学年:くもんの小学ドリルシリーズ
出版社:くもん出版
定価:税込み704円(2023年11月時点)
計算力を身に着けるのにおすすめのドリルです。
算数は1年生から6年生まで全31冊が発売されており、以下4つのシリーズが展開されています。
- 計算シリーズ(全13巻)
- 数・量・図形シリーズ(全6巻)
- 文章題シリーズ(全6巻)
- 学力チェックテスト算数(全6巻)
学年に合ったシリーズを順に進めていき、毎日の予習・復習など自宅での日常学習におすすめです。
高学年:中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数シリーズ
出版社:実務教育出版
定価:税込み1980円(2023年11月時点)
難問や奇問を省き、入試によく出る問題を厳選した問題集です。
問題を解いた後すぐに答え合わせができるよう構成され、言葉の説明を少なく、図を多用し、子供でも理解しやすいのが特長です。
さらに中学受験で人気の講師による解説動画がYouTubeにて公開されています。
高学年の基礎固め向きの問題集です。
高学年:中学入試 算数のつまずきを基礎からしっかり“計算”
出版社:学研プラス
定価:税込み990円(2023年11月時点)
入試にてつまずきやすい基礎的な計算問題を厳選した問題集です。
ひっ算の書き方から丁寧に教えてくれるため、ひっ算や計算が苦手な子はぜひ取り組んでみてください。
計算以外にも図形や文章題シリーズもあるため、苦手単元の重点的な学習におすすめです。
問題集を選ぶ際のポイント
数ある問題集の中からどれを選べば良いのか迷われる方も多いでしょう。
今回は問題集を選ぶ際のポイントとして以下の3つをご紹介します。
- 自分のレベルに合ったものを選ぶ
- 解説が分かりやすいものを選ぶ
- 過去問のテキストも取り入れよう
これらのポイントを参考にぜひお子様と一緒に選んでください。
1.自分のレベルに合ったものを選ぶ
問題集は自分のレベルや理解度に合ったものを選びましょう。
受験対策として先取り学習をする受験生も多いですが、自身のレベルや理解度に見合わぬ先取り学習や問題集は不正解の頻発や苦手意識の芽生えの原因となる可能性があります。
難しすぎる問題集は避け、自分に合った問題集を理解しながら解き進めましょう。
2.解説が分かりやすいものを選ぶ
解説が分かりやすいことを基準に選ぶことも大切です。
文字ばかりの解説や文章が長すぎる解説は子供にとっては読みにくいでしょう。
図や動画を利用した解説を取り入れている問題集がおすすめです。
子供のやる気を継続できる問題集選びを意識してみましょう。
3.過去問のテキストも取り入れよう
志望校が決まれば過去問のテキストを取り入れるのも有効です。
過去問から出題傾向を把握できれば、効率的に勉強を進められます。
また、過去問を実際の試験時間と同じ時間内で同じ回答用紙を使って解くと、試験への慣れやペース配分、集中力持続の訓練にも役立ちます。
あまり早すぎる時期から過去問を解き始めても、理解度が追い付いていない場合もあるため逆効果です。
全ての単元を学び終え、基礎固めが終わってから過去問には取り組み始めましょう。
まとめ:コツコツと勉強を積み重ねることが成果へとつながる
中学受験の算数は小学校で習う算数とは異なり、計算力以外に論理的思考や言語化能力などさまざまな力を計られます。
得点が稼ぎにくく問題も複雑なため苦手意識を持つ子供も多く、それに悩む保護者の方も多いでしょう。
算数への苦手意識を持たぬよう、正解やできる(解ける)を繰り返して自信をつけてあげることが大切です。
家族をはじめとする周囲の支えが合格への必須項目にもなります。
子供に寄り添い、ポジティブな声掛けや献身的な支えで一緒に合格を目指してください。
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