「子どもが勉強にやる気を出さない」とお悩みではありませんか?
しかし、「勉強しなさい」という声掛けは反発を招くことから逆効果であることが知られています。
そこで今回は、子どもが自主的に学習したくなるようなやる気スイッチの押し方を解説します。
勉強の習慣づけは早ければ早いほどよいとされています。
やる気がでない原因とやる気を損ねるNGワードを確認しながら、やる気スイッチを入れる魔法の声がけを参考にしてみてください。
小学生高学年が勉強にやる気がでない原因
まず、子どもがなぜやる気が出なくなるのか理解することが重要です。
子どもの状態や心理を理解すれば、適切な対策が取れます。
- 勉強のやり方が分からない
- 周りの人と比較をされてしまう
- 強制的に勉強をやらされていると感じている
- 興味を持ったことを否定される
上記に挙げた4つの主な原因について詳しくみてみましょう。
勉強のやり方が分からない
「どこが分からないのかが分からない」という状態では、勉強のやり方に不安が募ります。
そのような状態で勉強を続けても、得点を取る学習はできません。
得点が取れないので、学習嫌いが進んで悪循環に陥る可能性があります。
まずは、理解できていない点を具体的に把握することが大切です。
子どもがどの部分でつまずいているのかを明確にし、それを徐々に克服していくことを心がけましょう。
周りの人と比較をされてしまう
周りの人と比較されてしまうと、勉強のやる気がなくなってしまいます。
出来る人と比べれば、子どものやる気を喚起し頑張りそうな気がするかもしれません。
たしかに競争心は成長するために必要なものです。
しかし、自分より能力が高い人が多い場合、追いつけないと感じることがあります。
この状況が続くと、自分の能力に対する不安や自信喪失が生まれます。
その結果自暴自棄になり、勉強のやる気をなくしてしまうことがあるのです。
子どもがどんな位置にいようと世の中には上には上がいます。
誰かと比べるのではなく、子どもがこれまでに成長や達成したことに目を向けましょう。
強制的に勉強をやらされていると感じている
幼少期から無理に勉強をやらされたと感じる子どもほど、高学年に進むにつれやる気が損なわれ成績が伸び悩む傾向が見られます。
「やりなさい」と言われると、誰もが逆に「やりたくない」と感じるものです。
そのため、無理にやらせることは避けて自主性に任せるべきです。
しかし、最初から自主性に任せてしまうと自己管理ができず学習が習慣化しない可能性があります。
強制は好ましくありませんが、子どものやる気を引き上げて学習を習慣化させるためには親のサポートが不可欠でしょう。
興味を持ったことを否定される
せっかく興味をもって取り組もうとしたことを否定されると、やる気を失ってしまいます。
その意思や行動が親の期待とは異なると、「それはやめたほうがいい」「このやり方がいいと思うけど」といったネガティブな言葉が出がちです。
興味を持ったことが否定されることが増えると、子どもはどうせ自分が提案したことは受け入れてもらえないと思うようになります。
言われた通りに行動することだけを覚えた子どもは自主性を失います。
自主性がなければ学習する意欲も湧きません。
親と子どもは、血が繋がっていても別々の個人です。
子どもの個性を尊重し、新しいことに挑戦する機会を与えましょう。
小学生高学年のやる気を損ねるNG行動
子どものやる気を親の行動で下げてしまうのはもったいないです。
さらに、こうした行動を続けると、やる気を下げるどころか、親子関係にも悪い影響がでます。
- 勉強を強制する
- 誰かと比較する
- 勉強や成績と引き換えに罰を与える
普段の言動の中にこうしたNG行動が含まれていないか、振り返りながらチェックしていきましょう。
勉強を強制する
「〜しなさい!」と勉強を強制するワードはNGです。
自分で行動や選択をコントロールする自己決定感は学習意欲に大きく影響します。
自分が立てた目標に向かって進むことで、達成感や満足感が生まれます。
一方、他者からの強制や選択権のない場合には自己決定感が低下し、それに伴って学習へのやる気も低くなる可能性があります。
自分で目標を設定し、学びに対して興味を抱かせるためにも強制する言葉は慎みましょう。
誰かと比較する
「○○ちゃんは〜なのに」のような誰かと比較する言葉はNGです。
子どもは否定されると、「自分はダメなんだ」と感じて自己肯定感が低くなります。
さらに、他者と比較されれば自己肯定感は低下の一途です。
親と子は異なる個性や人格を持ちます。自分の子どもに対して客観的に判断するのは難しいでしょう。
他者から見ればなんら問題ないことでさえ、親は「不十分だ」という見方になることがあります。
兄弟姉妹がいる家庭では、よくきょうだい同士で比較されます。
これが原因で勉強のやる気がなくなるどころか、「自分は愛されていない」と感じるほど追い込まれるケースもあるのです。
比較するのではなく、子ども自身の成長に目を向けてあげましょう。
勉強や成績と引き換えに罰を与える
「勉強をしないとゲームを取り上げるよ」のような、罰を与える声掛けはやめましょう。
焦りから一時的にやる気を奮い立たせることはあるかもしれません。
しかし、この方法は効果に即効性はあれど長続きしません。
自分の心から湧き上がる内発的な動機を感じられないと、特に高等教育に移ってから学習する意味や目的を見失います。
そのため、テストの成績が良くとも入学後に学習のやる気が低下する子どもも多く出てきます。
罰ではなく、自信や自己肯定感を与えましょう。
小学生高学年の子どもを勉強机へ導く3ステップ
子どもが自ら率先して勉強するようになるためには親のサポートは欠かせません。
ここで、具体的なサポートの方法を3つのステップでお伝えします。
- 小さな目標を決める
- 勉強をする時間を決める
- 親も一緒に勉強する姿を見せる
これらのステップに沿って、無理なく子どもを勉強机に導きましょう。
小さな目標を決める
小さな目標を決めて取り組むようにさせてみましょう。
たとえば、漢字ドリルを毎日1ページでいいからやってみる、新しく学んだ英単語を1日3回繰り返し確認してみる、などが挙げられます。
小さな目標をクリアしていくことは達成感になります。達成感が積み重なれば、勉強をすることも苦ではなくなるものです。
目標をクリアしていくことが重要なので、簡単すぎるくらいにハードルが低いことからはじめてみましょう。
勉強をする時間を決める
目標を決めたら、目標に従って勉強する時間を決めておきましょう。
自分の勉強時間を見極めるため、まず食事や睡眠の時間を決めましょう。
また、お稽古などがあればそれらも固定しておきます。
空いた時間の中から勉強に割ける時間を割り出してみましょう。
モチベーション次第で、昨日はできなかったけれど今日はできた、といったムラがなくなります。
また、時間を固定しておくことで学習習慣だけでなく規則的な生活リズムも身につけられます。
親も一緒に勉強する姿を見せる
ただ子どもに勉強するよう言いつけるのではなく、親が一緒に勉強する姿を見せることも効果的です。
勉強を習慣化しようとしている子どもにとって、親やきょうだいと一緒に勉強することで連帯感が生まれます。
この連帯感の高まりは、家族同士の距離を縮めてコミュニケーションを円滑にします。
また、親が真剣に勉強に取り組むと、勉強をする時の集中力や姿勢などの見本として目に映るでしょう。
一緒に勉強をすることは子どもにとって良い手本や刺激となりうるため積極的に見せていきましょう。
やる気スイッチが入る魔法の声がけ3選
学習へのモチベーションは、「快」や「不快」などの感情に大きく影響されます。
行動によって「楽しい」「嬉しい」といった「快」の感情が期待される場合、やる気が高まりやすくなります。
- 具体的な行動を褒める
- あなたなら出来ると信頼を示す
- 感謝と喜びの感情を伝える
勉強の「快」を高める魔法の声がけを3つご紹介します。
勉強を捗らせる積極的な声がけで学習の習慣づけを円滑に進めましょう。
具体的な行動を褒める
「〇〇ができるようになったね」
「〇〇してたよね、見ていたよ」
具体的な行動を取り上げて褒めてもらえると、やる気につながるものです。
行動の内容が具体的な描写であるほど自分のことをよく見てくれている喜びがわきます。
さらには、その行動が良く評価されるならば嬉しいものです。
こうしたサイクルが出来上がれば、自己肯定感という「快」が高まり、やる気スイッチが入りやすくなるでしょう。
あなたなら出来ると信頼を示す
困難な課題に立ち向かうにはそれなりの勇気が必要です。
勇気を振り絞りながら不安を感じている子どもには「あなたなら出来る!」と信頼を示してあげましょう。
信頼は勇気を奮い立たせます。
「自分ならできるかもしれない」と子どもの自信という「快」が高まります。
これは勉強に限らず、部活の試合や発表会といったシーンで子どもの能力に信頼を示すことがやる気スイッチになります。
ただし、過剰に伝えるとプレッシャーになりうるため適度な励ましに留めるべきです。
もし結果が思わしくなかった場合でも、勇気を出して挑戦したことを認めてあげましょう。
感謝と喜びの感情を伝える
最後はシンプルです。「ありがとう」という感謝や「嬉しい」という喜びの言葉は、子どもの自己評価を大きく向上させます。
感謝や喜びをそのまま伝えるという単純なものです。
大好きな親御さんにこのような言葉を掛けてもらえることは、子どもにとって一番のご褒美です。
あらゆるモチベーションの上昇につながりますので、やる気スイッチも入りやすくなります。
日常の些細な出来事に感謝することで、他人との結びつきを深め、他者への支援への意欲がわき起こり、他人の意見を受け入れやすくなります。
これによって積極的に成長や自己向上に取り組む気持ちが表れる可能性があります。
一見無関係のように思えますが、学習意欲に関する効果は絶大です。
やる気スイッチを入れるには、こうした心理的な変化が影響を与えると考えられているのです。
まとめ:小学生高学年の子どもにやる気を持たせよう
ここまで、やる気を引き出す魔法の声がけをご紹介しました。
親の他愛もない一声によって子どもの勉強へのやる気は大きく左右されます。
まずは高学年のうちに学習の習慣づけを身に付けることを目指しましょう。
無理のない範囲で勉強を毎日続けることからはじめ、親の適切な声がけによって子どものやる気スイッチを入れる機会を増やしてあげてください。
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